民事訴訟:大阪夕陽丘学園高校教諭の解雇は無効 大阪地裁判決
2010/05/19
大阪夕陽丘学園高校教諭の解雇は無効 大阪地裁判決
14日の大阪地裁で、PTAから金を詐取したという嫌疑で、高校を運営する学校法人を相手取り、教諭としての地位の確認などを求めた訴訟判決があった。
内藤裕之裁判官は「懲戒処分に値する不適切な行為だが、解雇が相当とは認めがたい」とし、この元教諭の地位を認め、未払い賃金などの計約1900万円の支払いを命じた。
当時書道部顧問をしていた男性らが平成19年8月に合宿した宿泊施設に架空の領収書発行を依頼し、PTAから施設費として受け取った行為を「詐欺的」と指摘。その一方で「実際に書道部がその宿泊施設で作品制作を行っており、施設費は部活動資金に使用された」として、解雇は重すぎると判決を下した。
弁護士からのコメント
施設費の流用はあったが教育目的(部活動資金)に利用していて私的な流用ではないことなどから、懲戒解雇を無効とした判決のようです。形式的に懲戒事由に当たること懲戒できることは別物です。使用者側がこのような行為に及んでしまうと労働者に与える不利益はもちろん、結果として使用者側も多大な損害が生じます(裁判の手間暇のために、働いていない教諭に対して給料を支払わなければならない)。